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6月14日発表の米国小売売上高、FOMCの利上げを受けて【お金の学校】アーニングアカデミー浜本学泰【株・FXブログ】


みなさん、こんにちは。

アーニングアカデミーの浜本です。

最近のFX市場はボラティリティが低下しており、収益を上げにくい環境が続いておりますが、今週は指標発表イベントが多くチャンスの多い週の可能性が高いです。

さて、昨日6月14日の夜から本日15日にかけて、今週のクライマックス時間という事になっておりますが、早速大きな動きが出ておりますので、一度整理をしておきたいと思います。

6月14日(木)21:30に発表されましたアメリカの小売売上高がまずサプライズとなりドルは大きく下落しました。


米商務省が同時刻に発表した5月小売売上高は前月比-0.3%と、4月+0.4%から予想外にマイナスに転じ、昨年1月来で最低の伸びに落ち込んだ。変動の激しい自動車除いた小売売上高は前月比-0.3%と、4月+0.4%から昨年7月来で最低の伸び。

【経済指標】
・米・5月小売売上高:前月比-0.3%(予想:0.0%、4月:+0.4%)
・米・5月小売売上高(自動車除く):前月比-0.3%(予想:+0.2%、4月:+0.4%←+0.3%)


アメリカ小売売上高の予想外でした。

先週末の雇用統計が悪い数字だったことと連動して、翌明朝3:00に控えるFOMCの利上げに関して連想が広がります。

為替市場の動向は、金利動向がもっとも重要な要因となります。

利上げが起こればその通貨の価値は上昇します。

利上げは、その国の景気が良い状態の時に起こります。

景気が良いかどうかは、GDP(国内総生産)の数字が成長しているかどうかで判断します。

そのGDPの60%を占めるのが、個人消費、つまり小売売上高は、国民の消費動向を示す重要な数字ということになります。

さらに国民がお金を使うためには、安定した雇用環境が必要ということで、雇用統計の数字も大切になります。


2週連続して、雇用統計、小売売上高の2つの数値が予想外に弱い数字だったということで、FRBが今年3回の利上げを想定していますが、その姿勢に変化が起こるのではないかという想定が働き、ドルは大きく下落しました。

6月のFOMCで利上げを行うのは、マーケットの大方の予想でしたが、それを見送るのではないかという憶測も流れました。


大きくドルが下げたまま、6月15日(木)3:00のFOMCの政策金利の発表を迎えました。


[ワシントン 14日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は14日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、継続的な経済成長や労働市場の堅調さを踏まえ、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.0─1.25%に引き上げることを決定した。また年内にバランスシートの縮小に着手する方針を明らかにした。

FOMC声明は、経済は力強さを引き続き増す一方、雇用の伸びも引き続き底堅いとし、足元のインフレ軟化をFRBがおおむね一時的とみていることが示された。

年内はあと1度の利上げを見込み、足元で強弱まちまちとなっている経済指標は重視しない考えを示唆した。


ということで、FRBは見通しを変えず、足元の軟調な数字は重要視しておらず、むしろ景気は堅調に推移しており、年内3回、来年3回の利上げは予定通り行うことと、さらに堅調な景気を背景にして、景気対策で量的緩和のため大きくしていたバランスシートを縮小させることを近々始めるということを発表しました。

バランスシートを縮小させるということの意味は、景気回復のためにFRBがお金を市中にばらまく「量的緩和政策」を取っていましたが、アメリカの景気は堅調に推移しており、もうその必要がなくなったことを示しています。

ここ何十年も、バランスシートを拡大させ続けて、お金をばらまき続けているのに景気があまり良くならない日本とは全く違う展開ということになります。


この発表を受けまして、ドルは大きく持ち直しました。

EURUSD、GBPUSDでは、ほぼ、小売売上高の発表前の水準まで戻りました。

USDJPYでは、また戻りきってはおりませんが、大きく値を戻しました。


以上のように先週末からくすぶっていたアメリカ経済に関する懸念が今朝の早朝にFRBのイエレン議長によって払拭されたのが今朝の流れとなります。

実質のところアメリカ経済は本当に強いのかどうかという議論は今後の指標発表を見ながら判断することになると思いますが、とりあえず目先の懸念は払拭されたことになります。


更に今晩20:00には、イギリスのバンクオブイングランドによる政策金利の発表があります。

BREXITを前に、英国の経済状態はどうなのかということに注目が集まります。

GBPUSD、GBPJPYなど、ポンド絡みの通貨ペアの大きな変動が見込まれます。

今晩も予断を許さずに、チャートの動きに素直に対応していきましょう。


取り急ぎ、昨晩の一連のドル相場の動きについて、解説をさせていただきました。


ご参考になれば幸いです。

 

 

アーニングアカデミー
浜本 学泰