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6月28日(水)21:17頃のユーロの暴落について(ドラギショック)【お金の学校】アーニングアカデミー浜本学泰【株・FXブログ】
6月28日(水)21:17頃、ユーロが急落した。
指標発表もなく、私も一瞬何が起こったのか分からず、情報を探した。
EURUSDは大きく下落し、USDJPY、GBPUSDまでも連れ安する展開。
USDJPYまで下がっているのでアメリカのニュースではないことはすぐに分かる。
リスク回避的な動きで、ユーロ発のものであることは通貨ペアの動きから分かる。
しかし、しばらくの間、何が起こったのか分からなかった。
結論は「ドラギショック」でした。
ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁の発言をきっかけにユーロが暴落し、マーケットはリスク回避的な動きをしたのでした。
ここのところ、ユーロは堅調に推移、EURUSDは日足で雲抜けを達成して、本日も順調に上昇トレンドを示していた。
その矢先の、まさかの「ドラギショック」。
ドラギ総裁を恨みたい気持ちの人も多いことでしょう。
彼は何をしたかったのか?
数ヶ月間に渡る堅調なユーロ相場から、市場はテーパリング(金融引締め政策)を期待しているとドラギ氏は考えた。
彼の頭には「金融引締め政策はない」ということらしい。
それが本日の彼の「市場は誤解をしている」という発言になった。
彼はユーロが堅調に推移して、その背景が金融引締め政策による利上げだとしたら、自分はそのつもりがないから、後々になって、「なぜ利上げしないのか」と追求されることを恐れたのだろうか?
ここで彼の気持ちを市場に表明して、自分の身を守ったのだろうか。
マーケットは、ECB総裁の金融引き締めの気持ちがないことを受け、素直に下落した。
先日のイギリスの中央銀行、バンクオブイングランドの政策金利発表の際、利上げ支持者が増加しており、次回以降の利上げ可能性が高まったのとは対称的である。
ということで、EURUSDは大きく下落、そのかわりにGBPUSDが大きく上昇した。
為替市場は、金利が上昇する通貨が上がりやすく、金利が下落、もしくは低位にある通貨が弱くなる。
この動きを受けた展開となった。
これも素直に市場動向を反映した動きと言える。
しかし、今回のドラギショックは、これだけでは終わらない。
その後、EURUSDが急回復の上昇を見せるのである。
ドラギショック前の水準を超えて、上昇する動きとなったのである。
このことは何を意味しているのか?
それは、
「最近のユーロの上昇は、テーパリング(金融引締め政策)期待の上昇ではないよ」
ということなのだと理解できる。
今回「ドラギショック」と名付けたのは、完全なるドラギ総裁の一人相撲で、市場に混乱を引き起こしたということだからである。
ユーロはなぜ上がっていたのか?
それは、ここでは触れないが、ドラギ総裁の今回の発言には、自らの保身以外のナニモノも感じない。
市場との対話をしていくべき中央銀行の総裁が、市場の意図を全く理解していない発言によって市場を混乱させた。
この責任は極めて思いと思う。
今後は、ユーロは金融緩和継続、ポンドは利上げ期待銘柄、ドルは通常通りの利上げ織り込み済みという展開になり、ポンドが強い展開が想定される。
私達トレーダーは、指標発表以外にもこのようなショックがいつ起こってもおかしくないということを心に留め、いつでも逃げられる体制を確保しつつ、果敢にマーケットに参加していきたい。
今回のドラギ発言は、全くもって人騒がせなものであった。
市場の混乱を、私なりに解説してみたが、参考になれば幸いである。
アーニングアカデミー
代表 浜本学泰