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7月26日のFOMCに関して【お金の学校】アーニングアカデミー浜本学泰【株・FXブログ】


7月26日(日本時間7月27日午前3時)に、アメリカでFOMC政策金利発表のイベントがありました。

結果は、7月での追加利上げを見送り、FRBのバランスシートの縮小化を早めに着手する内容の声明を発表されました。

市場はこれを受けて、「ドル売り」が加速しております。

 

事実関係は上記の通りですが、現在のマーケットの動きから、事実関係との関係性について考えてみましょう。

上記報道の中に、ドル高要因、ドル安要因の2つの側面が混在しております。

 

●ドル高要因

  ・FRBのバランスシートの縮小化。これは、金融緩和が必要な状況は終わったことを意味する。

   金融緩和時に長期金利を下げようと、国債を沢山購入して、FRBのバランスシートが大きくなっている。

   バランスシートの縮小とは、国債の売却を意味しており、FRBが国債を売却すれば、アメリカの長期金利は

   上昇するので、これはドル高要因となる。

 

●ドル安要因

  ・追加利上げの見送り。マーケットは9月頃の追加利上げを見込んでおりましたが、マーケット参加者の中には

   今回の利上げを期待していた人たちもいるということになります。利上げ期待からの「がっかり売り」につな

   がったと見られます。

 

以上です。

 

足元の動きを見ますと、ドル安要因が大きく働いているような動きとなっております。

 

今後は、ドル高要因が効いてくるのかどうかがポイントになるわけですが、個人的にはそんなに単純ではないように考えております。

 

FRBのイエレン議長は、失業率も低水準で推移し、個人消費や企業の設備投資も堅調な数字を、バランスシートの縮小化の理由としておりますが、果たして本当に米国経済は、イエレン議長が言うように「堅調な」状態にあるのか。

 

マーケットの注目はそこに集まっているように思います。

単なる「利上げがなかったがっかり売り」ではないのではないでしょうか?

 

イエレン議長のバランスシートの縮小化の判断が時期尚早な可能性がある。

つまり、アメリカ経済はイエレン議長が言うよりも指標発表を見ていても、「それほど強い状態ではない」というのが市場参加者の大半が思っていることなのではないだろうか?

その市場の温度感と、当局のメッセージにあまりにも乖離がある。

これが、昨晩のFOMCからの大きなドル売りの反応の理由ではないかと考える。

 

ドル安の動きが継続していくとすれば、上記の事は正しい可能性が高くなる。

 

今後のドルの動きに注意してまいりましょう。

 

 

アーニングアカデミー

代表 浜本学泰