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日本は当面金利は上がりません【お金の学校】アーニングアカデミー浜本学泰【株・FXブログ】


こんにちは。

アーニングアカデミーの浜本です。

しばらく、金融リテラシー関連のブログが書けておりませんでした。

金融全般の第13回目は、「日本では金利は上がりません」と題して
書いてまいりたいと思います。

日本に投資が根付いていない背景の一つに、「必要がなかった」
ということがあります。

1980年代は、預金金利が8%という時代もあったそうで、預金者
は、自ら金融市場のリスクを負わずに、年率8%の資産増加が可能
でしたし、放っておけば9年少しで資産が倍に増えた環境でした。

同じ時期の物価上昇率は、高くても2~3%程度でしたから、世間
の物価上昇スピードよりも資産が増えるスピードの方が早かった
ですから、昔は本当に放っておけばお金は増えていった時代だった
のです。

●日本のインフレ率の推移

inhure

※出典元URL:http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=PCPIPCH&c1=JP&s=&e=

ですから、日本の人たちは金融市場の仕組みを知らないのも無理は
ない状況です。

しかし、時代は変わり、インフレ率の方が金利よりも高い状況が始まり
ます。

でも、景気が上向いてきたら、金利は上がるのではないかと思われる
でしょう。

はい。経済学ではそれがセオリーです。

しかし、現状の日本の状況では、金利が上がることは当分ないと言わざる
を得ないのです。

まず、1つは、日本の景気はこの20数年間停滞が続き、アベノミクスで
多少上向いたように見えるものの、大企業が為替による利益増加によって
一時的にそう見えており、本格的な成長軌道に乗ったとは言えないこと。

また、とられている政策が、大企業にメリットが出るものが多く、中小
企業の回復に至るまで、進んでいないこと。

景気の判断などは、GDPの構成比の60%を占める個人消費を見るべきである
が、自民党の支持基盤である経営者や自営業者や農家の票を考えると、事業
資金を借りやすい状況にしておかないといけないこと。

また、2005年頃に土地の値段も上昇し、一度景気の回復局面があったの
ですが、その時に日銀の審議員の何人かは、長い間、ゼロ金利を続けるの
は健全ではないので、金利を上げるべきであるという意見を言ったはずだが
そうはならず、その人たちは現状の審議員の中には含まれていない。

日本銀行の株主名簿が、どこを検索しても出てこなくなった情勢などを
鑑みても、世界経済を立て直すためには資金が必要であり、そのためには
比較的体力があり、コストがゼロに近い資金を際限なく出してくれる国が
存在していなければならず、日本はまさにその役目を担っているわけです。

となりますと、日本の金利は、「預金者目線」ではなく、「借入金金利目線」
で、決められていることになりますから、本格的に全体が景気回復の恩恵が
明確に見え始め、世界経済も成長軌道に戻るということが、日本の金利が上
がる必要条件になるということです。

日本の国々の隅々まで、そして、世界中に至るまでの景気回復が明確になる
というのには、まだまだ遠い道のりが必要だと考えられます。

したがって、日本において金利が大きく上昇していくということは、当面
考えられないのです。

それを証拠に日本銀行の今の行動を見ていたら、その姿勢が明確に読み取れます。

 

本来、日本銀行の役割は、

・世の中に出回る資金量を調整すること

・短期金利の調整を行うこと

 

でありますが、潤沢な資金量を背景に、

・ETF(株式)を年間6兆円

・長期国債を80兆円

買い入れるという政策を行っております。

中でも長期国債を大量に買うということは、どういう効果があるかといいますと、

 

ずばり、「長期金利を下げる」ということです。

本来、日本銀行は長期金利には手を出せず、マーケットが決めるものとされていました。

しかし、長期国債を大量に買うということで、長期金利に手を付けているのです。

 

どうして国債を買うと金利が下がるのかと言いますと、

元本100円で年間1%、つまり1円の利払いがある債券があるとします。

大量に買うことで値段が釣り上がり、本来100円だったものが、200円になったとしましょう。

200円の投資資金に対しても、券面100円の1%しか利払いはありませんから、1円の利払いを受けます。

債券が200円になったら、利回りは、1円/200円=0.5%となるのです。

つまり、日本銀行が長期国債を大量に買い、国債の値段を吊り上げることによって、市場の長期金利が低下しているということなのです。

「日本銀行の政策は、長短金利を0%水準で維持する」

というものなのです。

 

しかし、第11回の記事にも書かせていただきました通り、日銀の目標インフレ
率は2%です。

お金を置いておいては、目減りしていく状況がこれからもずっと続くというこ
とです。

それを避けるためには、収入を継続的に増やしていくか、持っているお金を
何らかの方法で、物価上昇率を上回る率で増やすすべを手に入れる必要がある
ことになります。

時代背景を鑑みても、今、この時こそ、金融取引のノウハウを積極的に身に着けて
いく状況が整ってきていると言えます。

さぁ、日本人が金融に目覚める時が来ました。

早く気付いて、ノウハウを習得した人から、人生が変わります。

頑張ってノウハウを身に着けてください。

浜本学泰

 

アーニングアカデミー

代表 浜本学泰