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今回のカルロス・ゴーン会長の事件にて思うこと
今回、ルノー、日産自動車、三菱自動車の3社で会長を務めるカルロス・ゴーン氏が、東京地検特捜部に逮捕された。
この事件を普通に見ると、
・剛腕経営者が権力を傘に私腹を肥やした。
・内部告発により悪徳経営者を退任に追いやった。
・会社から過剰に支払ったお金を損害賠償で取り返す。
ということのように映るが、実態はそうではないであろう。
以前、ベネッセコーポレーションが業績不振に陥り、自社では立て直しが効かず、オーナーの福武会長は、外部から、ソニーで専務、子会社のアイワで社長を務めた森本昌義氏を社長に迎え入れて、大幅なリストラを断交した。
結果としてベネッセの業績はV字回復を達成し、驚くほどの再生を果たしたのである。
しかし、その後、森本社長は、社内不倫を理由に社長の座を追われた。
これも社内告発により、週刊誌に取り上げられたことがきっかけとなった。
その後、ベネッセは進研ゼミに携わる中枢メンバーを中心に、「新しいベネッセ」を創るために新体制を発足させたが、その後は目覚ましい効果を出しきれずにいる。
今回のカルロス・ゴーン氏の事件もそれと同じように思えるのである。
確かに、会社のお金で自宅を購入させたり、所得を少なく見せる改ざん行為は、悪いことであり、許されることではありません。
しかし、私は日産自動車の社内の体制の方に心配が向かいます。
社内告発を受けて、社内調査を3ヶ月行い、東京地検特捜部と司法取引をして、自らの罪を軽くすることを着実に進めて、会社を食い物にする悪徳経営者を追い出すことに成功したという良いふうに捉えている可能性はないだろうか?
ここで私は2つのことを思うのです。
・剛腕経営者がいなくなった後、日産は多くの不祥事を抱えた状態から、自力で再生の道を辿れるのだろうか?
・V字回復を達成させる再生が得意な経営者は、その後の成長路線の舵取りをできることが少ないが、両立は無理なのだろうか?
というものです。
今回の日産自動車の事件のその後の推移をしっかりと見届けていこうと思う。
アーニングアカデミー
浜本学泰